2009-01-01から1年間の記事一覧

意思決定

『意思決定』について体系的な研究は、ゲーム理論 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E7%90%86%E8%AB%96 から発達した『統計的意思決定論(合理的な意思決定のあるべき姿)』と『行動的意思決定論(意思決定に関わる人の認知や行動…

個人主義・集団主義

日本人論の殆んどは、「欧米人は個人主義だが、日本人は集団主義」という主張を基礎にしている。「個人主義」とは、集団よりも個人を優先させる傾向で、「集団主義」とは、自分よりも集団を優先させる傾向をさしている。実際、心理学では、1980年代、集団主…

知能という論理的位置付け

『知能』とは、はっきりしない実態のない概念である。時代や社会の状況に応じてもっとも相応しい意味を表すような柔軟性に富んだ概念である。学校での勉強については、「頭が良い」というが、「知能が高い」とはあまり言わない。 『スタンバーグ(1981)』の…

創造の世界への背景2・・フロイト

フロイトは18歳(1873)、ウィーン大学で医学部に進み、医学だけではなく興味をそそられるままに幅広い分野に関心を示した。それもあって卒業まで3年も遅れている。その後半はE.ブリュッケ教授(生理学)を「自分の出会った最高の権威」とみなし心酔した。…

境界性人格障害(BPD)

『境界性人格障害(ボーダーライン)』患者は、ある種のパーソナリティ障害(個人の認知・情緒・行動の一貫した特性)を持っている。神経症の仮面をかぶり、しかし統合失調症でもなく両者の移行状態にいる。一見正常に見えるが、内面は空虚で、うつろい、変…

非指示的療法

「聴くこと」「耳を傾ける」「受け止める」というのは、カウンセリング場面では絶対条件であるが、人がなかなか「耳を傾けない」のは、話が簡単に収まらず、扱いの難しい事情が次々に現れてきてしまい、聴いているだけで時間はどんどん経過し、更に聴いてい…

第1回心理カウンセリング講習会

昨日、相棒のY氏と共に、日常生活で使える一般向けの「心理カウンセリング講習会」を開催した。まずは、Y氏とその他協力してくれた皆にお礼を言いたい。本当にありがとう。 心理テスト『エゴグラム』と『ソーシャルスタイル』、また、自分を押し殺すでもな…

心的防衛機制

3つの心的組織からなる心の構造を仮定し、フロイトは『エス・自我・超自我』という『構造論』で、無意識的プロセスを説明した。エスは本能的な自由に満足を求める部分。超自我は道徳や良心をもって自我を監視している部分。自我はエスと超自我との仲裁役と言…

社会適応反応について

ボルビィは、「特定の人に対して接近維持しようとする愛情の絆」を『愛着』と呼び発達段階の存在を明らかにしたが、ここでは、愛着関係が形成されているかどうかを測定する古典的な方法『ストレンジ・シチュエーション法』(Ainsworth et al.,1978) があるが…

心理学の定義と態度

現代心理学が、ドイツのライプヒッチ大学のW. ヴントによって歴史を刻み始めてから130 年を経た今日だが、心理学を構成している領域は、もっと多岐にわたっている。収集つかないようだが、『行動とその基礎にある心を既述し説明しようとしている』という点で…

認知心理学・イメージ論争

1960年代なかば『認知革命』とともに誕生した『認知心理学』。『認知』は一般的には『認識』と同義語である。哲学では、認識論、存在論、行為論が3本柱になっている分野だ。認知に関係のある学問はさまざまな境界領域があり、その中でも特に『脳神経科学』は…

創造の世界への背景・・フロイト

1856年5月6日生まれのジークムント・フロイトについて少し考えてみよう。フロイトは、チェコスロバキアの小さな町モラヴィアのフライベルクに生まれた。父のヤーコブは3度の結婚をしたといわれ、商才のない毛織職人だった。(私的な偏見ではダメおやじなんだ…

戦争神経症・・アフガン

ちょっと前に、インド人と元アフガニスタン人が我が家に来た。彼らは10年以上に渡る友達だが、今回はショッキングな会話が多かった。 ここでは、アフガニスタン人について話そう。彼はパキスタンに亡命し、今は国籍を替えてパキスタン人になっている。彼は『…